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帝京大学時ラグビー部時代に学生レフリー兼アナリストとして大学1年時〜4年時まで大学選手権の連覇に貢献。その後データスタジアム株式会社に入社し、ラグビーのデータ管理/運用を担当する。2015年より、サントリーサンゴリアスにアナリストとして加入。チームを日本一に導く中、SUPER RUGBYブランビーズ(オーストラリア)でアシスタントアナリストの経験を積むなど、国内外のトップレベルで活躍している。
チームの中での役割・仕事内容は?その中で、重要なことや求められるスキルは?
戦術に関わる全てのデータ
大きくいうと、チームに関わる情報の全ての管理です。対戦相手のデータはもちろん、自分のチームのデータや映像といった「戦術に関わる全てのデータ」の管理がメインになります。
その情報をもとに、監督やヘッドコーチが目指すラグビーの具現化に向けて、チームミーティングなどで映像やデータ統計を活用し、選手に効果的に落とし込むことを行っています。
アナリストになったきっかけは?
レフリー兼アナリストとしての生活
元々は、帝京大学ラグビー部に学生レフリーとして入部しました。すると、監督から、「分析もやってみないか」と声をかけられ、レフリー兼アナリストとしての生活がスタートしました。
当時は、分析担当の先輩がいましたが、仕組みとして体系立てられたものはなく、手探りで試行錯誤しながらの日々でした。卒業後は、データスタジアムに入社し、ラグビーの分析・運用を担当した後に、サントリーサンゴリアスにアナリストとして加入しました。
アナリストという仕事の一番のやりがい・魅力は?
準備の、さらに一歩前の準備がアナリストの仕事
まず初めに、幼い頃からラグビーをやってきて、現在も大好きな競技に仕事として携わることができている、という根本的な想いが強いです。
アナリストという仕事は、コーチや選手が良い結果を出すための準備の、【さらに一歩前の準備】になります。アナリストの力で結果を全てコントロールできるわけではないですが、日本一になったときにチームの皆が喜んでいる姿を見ることは、やはり嬉しいです。
また、海外のスポーツでは、分析スタッフの人数は日本よりもとても多く、専門的な知識を持ったスペシャリストが集まって分析チームを編成します。一方で、日本のスポーツチームでは、アナリストの人数は1つのチームに多くても1〜2人です。その分、全ての分野に関する知識が必要で、よりジェネラリストとしてのスキルを求められることも特徴です。この部分は、とても大変ではありますが、逆にやりがいも感じています。
求められるスキルとしては、ITの知識が不可欠です。チームの課題を解決するためにITの力を用いて具現化する、ということがアナリストの仕事の本質ですので、ITリテラシーは必ず必要です。また、競技に関する専門的な知識も必要です。コーチのイメージしているものと同じ絵をイメージする、ということは、とても重要ですので、ラグビーの勉強・研究にも日々力を入れています。
気象情報は、以前から気にされていましたか?
陣取り合戦では、風上と風下では大きく戦い方が変わってくる
自分たちにコントロールできない部分であるため、とても重要と捉えています。チームの勝利のために、天気によって戦術・戦略を変えていく必要があるからです。
例えば、パスとランを中心にボールを保持しながら攻めるプランを立てていたとしても、当日が雨だとパスミス・キャッチミスの確率が上がり、準備していたプランが機能しない可能性が高くなります。そういった場合は、キックを蹴って陣地を稼ぐなど、別の戦術に切り替える必要がありますので、チームの能力を100%引き出し、勝利への確率を少しでも上げるために確認が必要な要素だと捉えています。
基本的に毎日見ますが、ゲームがある週は特に意識して確認し、試合の日の天気によって、日々の練習メニューを調整することも多くあります。
また、雨だけでなく、風の情報もとても気にしています。ラグビーの競技的な本質は「陣取り合戦」のため、風上と風下では大きく戦い方が変わってくるからです。また、ボールが外に出たときの再開方法である「ラインアウト」についても、風によって成功率に大きな影響が出るため、当日の風が強いのかどうかも、気にしています。
導入する前は、どのように天気を調べていたのでしょうか?
天気サイト、いったいどれが正しいんだ?
いくつかのアプリを携帯にダウンロードして確認していました。
ツールによって、天気予報が違ったりするので、どうしても複数確認しないと、安心できなかったので。また、前後にズレる可能性も想定して、前日や1日後の天気も見ていました。
天気を確認するのに意外と手間がかかったり、時間が多く取られるということが課題でした。また、複数の天気サイトを確認した結果、「いったいどれが正しいんだ?」と悩むこともあり、そこもストレスに感じていた部分です。実際に、私自身は試合当日を「曇り」と考えていたけれど、選手は「雨が降る」という認識を持っていたため、戦術について疑問を持って質問に来ることもあったりしました。
導入後、どんなことが変わりましたか?一番のエピソードは?
天気のブレの可能性を、MiCATAで確認
一番大きいのは、「天気のブレ」機能です。複数の天気の可能性を、一つのツールで確認できるようになったことで、複数のサイトを見る手間と時間を削減できるようになりました。
また、MiCATAの利点は、シェアができることだと感じています。選手やスタッフにもシェアをして、同じ情報を確認できることで、チーム間での認識のズレをなくすことができました。
繰り返しになりますが、天気は自分たちでは変えられないので、より詳細な情報を簡単に手に入れることができるようになったことで、ストレスがなくなり、自分たちの準備に集中することができるようになりました。
今後のチーム/個人的な目標を教えてください。
We before Me
今年のサントリーは『We before Me』というスローガンを掲げて掲げています。
伝統である「アグレッシブアタッキングラグビー」、すなわち、見ている人がワクワクするようなラグビーを選手が体現できるよう、チームのために全力で頑張っていきたいです。
サントリーは、王者にならなければいけないチームです。一つ一つのプレーへのこだわりも、ぜひ見てください。
個人的には、いろいろなコーチがいる中で、少しでも多くコミュニケーションを取って、彼らの助けになれればいいな、と考えています。
ウェザーニューズは2015年から、天気を味方につけ、スポーツの戦術/戦略に気象情報を活用する「スポーツ気象」に取り組んできました。
選手・チーム支援実績2015年にラグビー日本代表チームをサポートしたことからはじまり、トライアスロン、セーリング、ホッケー、野球、サッカー、マラソン、ゴルフ、自転車、テニスなどサポートする競技、チームが広がっています。
大会運営支援実績1983年に野球場からはじまり、プロ野球、Jリーグ、トップリーグ、熱気球、エアレース、ヨットレースなど様々な大会の運営をサポートしています。
スポーツ気象Laboウェザーニューズが、代表チームやプロチームと取り組んできた「最良の準備をするための気象情報の活用」「試合に勝つための気象情報の活用」や、熱中症の発生リスクを軽減させる暑熱対策の秘訣など、スポーツをする方にとって役立つ情報を公開しています。
MiCATA 大会運営支援版ウェザーニューズは、これまで多数の国内/国際的スポーツ大会において、大会が安全に運営できるよう気象の側面からサポートを行ってきました。そのノウハウを最大限に利用することができるスポーツの大会運営に特化した気象情報サービスです。